※この体験談は約 5 分で読めます。
【体験談】チビでチキンな俺が我慢の限界を迎えた結果・・・
こんなことをいきなり言いたくないのだが、俺はチビだ。
男としては、小さい部類に入る。
なぜこんなことを話すかというと、今からする女の話に関わるからだ。
その女は、デカい。彼女はリサという。
職場の同僚、同期だ。並ぶと頭一つ以上の差がある。
それだけでなく、リサは男勝りでガサツで、しかもデリカシーがない。
「中田っち(俺のことだ)ってさー、ちっさくて可愛いよねー」とか抜かす。
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※この体験談は約 5 分で読めます。
こんなことをいきなり言いたくないのだが、俺はチビだ。
男としては、小さい部類に入る。
なぜこんなことを話すかというと、今からする女の話に関わるからだ。
その女は、デカい。彼女はリサという。
職場の同僚、同期だ。並ぶと頭一つ以上の差がある。
それだけでなく、リサは男勝りでガサツで、しかもデリカシーがない。
「中田っち(俺のことだ)ってさー、ちっさくて可愛いよねー」とか抜かす。
(なお、いくら相手の方がフィジカルで勝ってる感があるとはいえ、俺も女を相手に物理で反撃するほど心根まで小さくはない)
ところでなぜ延々とそんな女の話をしているか?
言わんでも分かるかもしれんが、俺はリサのことが好きだからだ。
まあね、可愛くはない。そういう方向性じゃあない。
でも、すらっとした美人だ。きっぷもいい。
割と残念なのは、気軽に男をとっかえひっかえする(というか、コクられると気軽に付き合い、そしてカジュアルに短期間で別れる、そういうタイプなんだ)点であり、より残念なのは、俺はそれを分かっていてなお、告白の一つもなかなかできないヘタレである、ということだ。
とはいえ、会社では仲良くやっているのだ。
特に重要なのが、飲み会のときだ。リサは酒好きだが、弱い。
悪い飲み方はしないが、弱いものは弱い。
で、俺に送らせる。
ちなみに俺はリサよりもっと弱く、完全に飲めないので、烏龍茶飲んで料理食べてリサの送迎をする係だ。
ちなみに、告白する勇気もないのに、送り狼をする勇気はもっとない。
そんなこんなで。
あるときのこと。
リサが大風邪を引いた。
有給消化で病欠。
一応、友達なので、心配になる。
モロゾフのプリン買って見舞いに行った。
勝手知ったるルートである(部屋の中まで入ったことはないが)。
呼び鈴をならす。
なかなか出てこない。
ちなみに一人暮らしだ。
やっと出てきた、と思ったら、髪はボサボサだし、熱がまだあるのは一目見れば分かるし、惨憺たる有様である。
「なんだ。中田っちじゃん。どしたの」
「どしたのじゃないよ。見舞いに決まってるだろ。ほれプリン。というか、大丈夫なのか?」
「あんまり大丈夫じゃない……でもプリンたべる……」
成り行きで、なんとなく、上がり込む雰囲気になった。
部屋の中は荒れ放題だった。
病気のせいもあろうが、普段からルーズな暮らしをしているに違いない。
まあいい。別に小姑みたいな文句をつけにきたわけじゃない。
「メシ、食えてるか?おじやでも作ってやろうか?」
「あー……じゃあお願いします……」
炊飯器を確認する。冷蔵庫を開ける。
「……」
見なかったことにして、俺はコンビニに買い出しに行き、病人食の支度をしてやった。
なお、俺はいわゆる自炊男子である。
炊飯器の中を腐海にするような女よりは、家事はできる。
「おじやできたぞ」
「んー……」
リサはプリンの空き瓶(まったくどうでもいい補足説明をすると、モロゾフのプリンというのは、瓶入り)をその辺に転がし、ベッドに横になっていた。
「食えるか?」
「あーん」
「おいおい……」
結局、匙ですくって、食べさせてやった。
「ごちそうさま」
「おそまつさま」
「中田っちは、優しいね」
「今更気づいたか?」
「ううん、知ってた」
それから、とりとめもない会話をかわす。
熱のせいで弱気になっているのか、リサはこんなことを言い出した。
「……中田っちがいてくれて、よかった。いつも、ありがとね」
なんか非常にしおらしいことを言い出した。
こんなリサは、初めてだった。
ところで、あえて言及しなかったが、俺は、ずっと、好きな女と、一つ屋根の下、二人きりなわけである。
ここまで言われて。
男として我慢の限界だった。
俺はリサの上に覆いかぶさった。
押し倒す、という表現をするのかもしれないが、相手は既に寝ているわけで押せてもいなければ倒してもいない。
「……中田っち」
「リサ……すまん、俺……」
「本、気?」
「本気だ。お前が……好きだ」
この言葉を言えるまでにいったいどれだけの無駄な時間を費やしてきたことだろうか。
「そか……じゃあ……いいよ。ただ」
「ただ?」
「ごめん、割と本当に身体辛いんで、早めに終わらせて」
……やっぱりこの女にはデリカシーというものがなかった。
せめてキスくらいはロマンチックにしたい、と思って、口づけを交わすところから始めたが、当たり前のことなのだが、俺が作ったおじやの味がした。
「ところで中田っち、持ってきてるの?」
「……ある」
リサはころころと笑った。
「最初からそんなつもりで、お見舞いに来たんだ」
「違うわ!いつも持ち歩いてるんだ!お前だって知ってるだろう!」
これ、書きたくない。第三者に知られたくない。
だが、書かないと、俺がなぜ持ち歩いているのかが説明不可能だし、最初から女を押し倒すつもりで見舞いに行くような奴だと思われるのもシャクだ。
前に。泥酔したリサにおちょくられたことがあるのだ。
「中田っちってさー、ちゃんとゴム使う派~?」
「……そうだが、それがどうした」
「いや~中田氏だけにいつも中出しなのかと思ってさー!きゃはははははは」
全国の中田姓同胞の皆さんごめんなさい。
馬鹿の代理で俺が謝っておきます。
ともかく、それ以来、中田氏呼ばわりされるのが嫌で、持ち歩いているのである。
念のため断っておくが、真似するなよ。
100%セクハラで、訴えれば勝てるからな?
俺だって相手が友達でなければ本気で怒るわ。
さて話がそれまくったが、閑話休題。
「中田っちの指、気持ちいい」
「そうか」
「そのテクで何人の女、泣かせてきたの?」
「数えてない。ただ」
「ただ?」
「お前が最後の一人だ」
「きゃー」
いい具合に仕上げたところで、ゴムをする。
ほんとにしんどそうなので、ごくオーソドックスに、足を開かせて、正常位。
熱っぽい身体が、汗を帯びた体が、俺を受け入れる。
熱でぐったりしているわけなので、マグロ状態だが、……好きな女と、ようやくやれた喜びで、俺は、すぐに漏らしてしまった。
「よかった?」
「ああ。最高だったよ」
「じゃあ、余韻に浸ってもらう間も無くて悪いんだけど、三日お風呂入ってないんで、せっかく脱いだあとだしタオルで身体を……」
やっぱりそうか!道理でなんか妙に匂うと思ったんだよ!
いやまあ。そんなわけでな。
俺たちは恋人同士になった。
なんだかんだ、書いているが、いいもんだよ、軽口を叩き合える同士の恋人ってのは。
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